岩手大学 理工学部 システム創成工学科
助教 福江 高志 氏
ワールドワイドで展開する開発競争に対抗していくための設計高度化や高速化は分野を問わない喫緊の課題であり、1DCAE技術はそのための有力なツールになりえる。電子機器の熱設計は従来から熱回路網法などに代表される1D解析技術が使われ、設計の高速化に寄与している。一方、近年の電子機器の高度化や高密度実装化に伴う構造の複雑化に対し、1Dモデルを簡単に構築することが極めて難しい状況も出てきている。そこで今回は、電子機器の熱設計を題材に、1Dモデルの構築に欠かせない伝熱現象の「ドローイング」についてのヒントを、事例を用いて解説する。昨今の高度化した熱設計事例に対する1DCAEの可能性について考えたい。
コニカミノルタ株式会社
情報機器開発本部 開発プロセスイノベーションセンター CAE推進部
大島 亮 氏
顧客の幅広いニーズに応えるために、詳細な形状を決めるより先に、機能や品質の確保に重点を置いた検討の重要性が増しており、より速くより広く検討するために、物理モデルをベースとしたシミュレーション技術(1D CAE)が注目されている。1D CAEをMFP(Multifunction Peripheral)の製品開発に適用するにあたり考え方と事例を定着プロセスを例に紹介する。
サイバネットシステム株式会社 CAE第2事業本部 システムCAE事業部
岩ヶ谷 崇
近年、1D CAE は概念設計におけるツールとして広く認知され、活用も始まっている。一方で、実際に利用すると、開発・設計へのアウトプット定義やモデリング自体の難しさによって、効果を出し切れないことがあるのも事実である。本講演では、熱問題への適用に着目し、1D CAE 利用のあり方を再考した上で、その課題に対する提案として、現在開発中である伝熱モデリングに対するソリューションを紹介する。